ゴッセのイメージ
画像出典:ゴッセ公式サイト

450年近くの歴史を誇り、シャンパーニュ最古の名門と名高いシャンパーニュメゾン、ゴッセ(Gosset)。
ピュアな味わいを実現できる反面、確かな技術が必要で大変手間がかかる伝統製法であるノン・マロラクティック製法の代名詞と言われるメゾンです。
瓶内熟成の期間が非常に長いことでも有名で、最低36ヶ月から、長いものでは180ヶ月(15年!)以上の熟成を経るゴッセのシャンパーニュ。
生産本数は年間100万本(最大手メゾンの約30分の1)ほどしかなく、シャンパーニュで「最も小さく偉大なメゾン」として生産者たちからも尊敬を集める、名門中の名門です。

今回は、そんなゴッセの魅力を深堀りしていきたいと思います。
シャンパーニュ好きなら是非知っておきたい名門メゾンの歴史や逸話、製法、ラインナップまでたっぷりとご紹介しますので、ご期待ください!
それでは、さっそく見ていきましょう。

シャンパーニュ最古。450年近くに渡るゴッセの歴史。

ゴッセは、1584年に、アイ村の市長をつとめていたピエール・ゴッセ氏によって設立されたシャンパーニュメゾンです。
450年近くの歴史を誇り、シャンパーニュ地方で最も古くからワインを造ってきた造り手のひとつ。
少し掘り下げて見てみましょう。

始まりは、シャンパーニュの有名メゾンが集結する「アイ村」から

絵画ならバルビゾン、ミュージカルならブロードウェイ。
著名なアーティストや劇場が、なんだかわらわらと集まってきて、いつの間にか聖地のようになっちゃう場所。
どんなジャンルにもありますよね。

「シャンパーニュ」というジャンルの聖地であり、著名なメゾンが集まる場所ももちろんあります。
それが、アイ村です。

ピノ・ノワールの聖地と呼ばれ、シャンパーニュの名だたる一流メゾンが競って欲しがる土地でもある「アイ村」。
本拠地を置くメゾンは、Bollinger(ボランジェ)、HENRI GIRAUD(アンリ・ジロー)、Deutz(ドゥーツ)などなど名だたる有名メゾンばかり。
また、ドン・ペリニヨンで有名なMoet et Chandon(モエ・エ・シャンドン)もアイ村のぶどう畑を多く所有していることでも知られています。

ぶどう栽培の北限と言われるシャンパーニュ地方において、冷涼な気候で知られるヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区にあり、南向きの斜面が広がり日照に恵まれたエリアにあるため、ぶどうはたくさんの陽を浴びて育ち、ふくよかで濃密な果実味が特徴です。

メゾンの創業者一族であるゴッセ家は、アイ村の名家。
これまで3名の市長と4名の助役を輩出しているそうです。

丁寧に紡いできた70村200以上の生産者たちとの絆

ゴッセはそんなアイ村に居を構え、30km圏内に畑のある200以上の生産者たちと丁寧に関係を紡いできた老舗です。
なんと、その多くの生産者たちとは、3代以上に渡って関係が続いているといいます。
買い付けているぶどうは、アイ村のあるモンターニュ・ド・ランス地区と「シャルドネの聖地」コート・デ・ブラン地区を中心に、グラン・クリュやプルミエ・クリュのものがほとんど。
背景も仕事ぶりもしっかりと知っている信頼のおける生産者から、最高品質のぶどうを買うことで、ゴッセは素晴らしいシャンパーニュを造っているのです。

伝統を守り愛す、ゴッセのシャンパーニュ造り

ゴッセは、「ノン・マロラッティック製法」と「非常に長い瓶内熟成期間を持つこと」で有名です。
創業当時から大切に守られてきたこの2つの伝統的手法はセットになることで、ゴッセらしさである「ピュアさ」や「偉大なノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ」につながっていきます。
詳しく見ていきましょう。

ノン・マロラッティック製法って何?

ノン・マロラッティック製法とは、「マロラクティック発酵を行わない製法」のこと。

そもそも、マロラクティック発酵とは、アルコール発酵(ぶどう果汁の糖分が発酵によってアルコールに変わる過程)の後に起こる現象で、ワイン中のリンゴ酸が乳酸に変わる過程のことです。
酸味のもとが分解されることで、味わいはまろやかになります。
そして、このマロラッティック発酵という過程は、放っておくと勝手に起こる過程でもあります。
また、まろやかになる、というと聞こえが良いですが、酸味はシャンパーニュの大切な味わいのひとつ。
そのため、シャンパーニュメゾンでは、このマロラッティック発酵の進み具合をコントロールすることで、まろやかさと酸味のバランスを見て、ちょうどよい味わいを目指しているのです。

つまり、ノン・マロラクティック製法とは、マロラクティック発酵が起こらないように調整をして、酸味を意図的に残す製法なのです。
そして、この製法の難しいところは、温度の管理。
ゴッセでは、アルコール発酵の後、温度を10度以下まで冷やすことで、マロラクティック発酵の発生を抑えています。
これによって、ゴッセの総酸量は、熟成に入る前の時点では一般的なシャンパーニュの2倍弱も残っています。

長いものは、15年。静かにセラーで刻まれる熟成の時。

実は、ゴッセのシャンパーニュの熟成期間が長いのは、ノン・マロラクティック製法で酸味を残しているため。

一般的なシャンパーニュの2倍近くも酸っぱい、と言われると、ちょっと飲みにくいのでは?と思いますよね。
それはそのとおりで、ゴッセのシャンパーニュは、長期間の熟成をしなければすっぱすぎるのです。

熟成によって、ワイン中の様々な成分が変化しますが、リンゴ酸も当然変化するもののひとつ。
そして、長い年月を経ることで、リンゴ酸のシャープで強い酸味は、余韻や奥深さに変わっていきます
これこそが、他のシャンパーニュメゾンのシャンパーニュとゴッセのシャンパーニュの味わいの違いとなっているのです。

他にはないぶどう本来の「ピュア」な味わい

このように手間をかけて、時間を重ねて造られているゴッセのシャンパーニュは、「ピュア」な味わいであると評されます。
この「ピュア」な味わいは、ノン・マロラクティック製法によって残されるぶどう本来の酸味とその酸味が変化した旨味によるものと言われます。
まるでヴィンテージシャンパーニュのように長い時間を静かにセラーで過ごすゴッセのシャンパーニュ。
長い時間をかけることでぶどうのポテンシャルを引き出していると言え、それこそがワイン愛好家たちを唸らせる「ゴッセらしいピュアさ」なのです。

名門ゴッセのシャンパーニュを知ろう!

今回ご紹介するのは、ゴッセの定番とも言える「グラン・レゼルヴ・ブリュット」と最高級の「セレブリス」の2銘柄です。

GRANDE RÉSERVE BRUT(グラン・レゼルヴ・ブリュット)

グラン・レゼルヴ・ブリュットは、赤いラベルが印象的な、ゴッセの定番。
最低でも3年の熟成期間を経ることで、ノン・マロラクティック製法によって残されたリンゴ酸が馴染み、旨味に変わっているその味わいは、まさにゴッセスタイルのシャンパーニュ。
豊かな果実味と深いミネラルの余韻が感じられます。
ピノ・ノワールを42%、シャルドネを43%、ピノ・ムニエを15%に比率でブレンドして造られており、そのほとんどが特級畑と一級畑から収穫されたぶどうです。
グラン・レゼルヴ・ブリュットは、丁寧に造られ、静かに時を重ねた「偉大なノン・ヴィンテージ・シャンパーニュ」であり、ゴッセの味わいを知りたいなら、まず手に取りたい名作です。
参考価格:5,981円

GOSSET CELEBRIS CELEBRISSIMES(セレブリス・セレブリッシム)

生産本数1000本という超希少なシャンパーニュ。
「セレブリッシム1995」は、なんと23年もの熟成を経ているというまさに最高級品。
味わいは、シャンパーニュでありながら、ワインのようにふくよかで、多く残された酸が旨味や複雑味に華麗な変貌を遂げています。
ピノ・ノワールを54%、シャルドネを46%の比率でブレンドして造られた、珠玉の逸品。
本当に特別な場面で手に取りたいシャンパーニュです。
参考価格:70,000円

ゴッセのシャンパーニュが誇る、ぶどう本来のピュアな味わいを堪能しよう!

ゴッセの魅力をご堪能いただけましたでしょうか。
シャンパーニュの名門中の名門が造るシャンパーニュで、シャンパーニュのぶどう本来のピュアな味わいを愉しんでみてください。

シャンパーニュの世界が、また一つひろがること間違いなし!

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