英国王室御用達のシャンパーニュとして有名なシャンパーニュ・メゾン、ローラン・ペリエ。
家族経営のシャンパーニュメゾンとしては世界1位の規模を誇り、世界160カ国以上の国々に輸出され、最高級レストランのワインリストにもオンリストされています。
世界的シャンパーニュ・メゾンとして有名なローラン・ペリエですが、実は、前会長ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏が1代で現在の地位を築いたという、叩き上げのメゾンでもあります。
また、前述の通り、英国王室との親交も深く、ウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウェディングでも、食前酒、食後酒ともにローラン・ペリエが振る舞われました。
このニュースでローラン・ペリエの名前を知った、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、そんなローラン・ペリエの魅力に迫りながら、全ラインナップをご紹介いたします。
背景やエピソードを知っていれば、ローラン・ペリエの味わいもより深いものになりますよ。
それではさっそく見ていきましょう。
※この記事は、ソムリエが監修を行っております。(最終更新日:2021/12/09)
ローラン・ペリエってどんなメゾン?
ローラン・ペリエは、1812年創業の老舗シャンパーニュメゾン。
シャルドネにこだわり、「フレッシュ」で「エレガント」、そして「バランス」の取れた味わいのシャンパーニュを造るメゾンとして知られています。
フレッシュな味わいを求めて、シャンパーニュ地方で初めてステンレスタンクを導入したメゾンでもあり、努力によってその名を高めてきました。
世界中で愛されるローラン・ペリエが有名な理由
ローラン・ペリエが160カ国にものぼる国々に輸出され、世界中で評価されているのは、メゾンの前会長ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏による改革の賜物。
フランスのシャンパーニュメゾンでありながら英国王室御用達を獲得しているだけでなく、最も影響力のあるワイン評論家として名高いロバート・パーカー氏からも最高の評価を受けています。
パーカー氏の発表している『ワインバイヤーズガイド』では、最高得点である5つ星も獲得しています。
ここでは、そんなローラン・ペリエが有名になった経緯を見てみましょう!
ローラン・ペリエは最も小さなメゾンのひとつだった
第二次大戦後の1949年、ノナンクール氏がメゾンを継いだ当時、ローラン・ペリエは「100番目のメゾン」だったと言います。
当時、シャンパーニュメゾンの数は100あまりしかなく、その中で100番目。
つまり、最も小さなメゾンのひとつだったのです。
ノナンクール氏は、そんなローラン・ペリエを世界第5位(家族経営のメゾンでは世界1位)の規模まで成長させます。
彼が目指したのは、「フレッシュ」、「エレガント」、そして「バランス」の取れた味わいのシャンパーニュでした。
鍵となったのは「シャルドネ」と「ステンレスタンク」
ノナンクール氏の目指した理想の味わいのうち、エレガントさとバランスについては熟成期間を長く取ることで実現しました。
しかし、長期間の熟成を行うシャンパーニュは、フレッシュさよりも芳醇さや複雑味が際立つもの。
この課題を乗り越え「フレッシュさ」を追求するための秘策が、「シャルドネ」と「ステンレスタンク」だったのです。
シャルドネは「白ワインの女王」と呼ばれブドウる品種。
土地の個性や熟成の環境を如実に反映するデリケートなブドウ品種であり、樽で熟成されると樽の香りがするまろやかで芳醇な味わいになり、ステンレスタンクで熟成されるとフレッシュで切れのあるドライな印象になると言われます。
個性を宿しながらも、シャルドネを主体としたシャンパーニュは、繊細なエレガントさやフレッシュさのあるシャンパーニュになるのが特徴です。
シャルドネの比率を増やし、ステンレスタンクによる熟成を導入することで、ローラン・ペリエのシャンパーニュは「フレッシュ」で「エレガント」で「バランス」の取れた味わいを実現しました。
その結果、ノナンクール氏の夢見たメゾンの理想にたどり着き、多くのワイン愛好家に評価されるようになったのです。
ローラン・ペリエは英国王室御用達!
ノナンクール氏がメゾンを継いでから約50年後の1998年。
ローラン・ペリエはフランス、シャンパーニュ地方のメゾンでありながら、英国王室御用達(ロイヤルワラント)を獲得しました。
英国御用達に指名したのは、チャールズ皇太子。
「プリンス・オブ・ウェールズ」(イギリスの皇太子)の称号を授けました。
2011年、ウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウェディングでローラン・ペリエが振る舞われたのも、チャールズ皇太子主催の晩餐会の席。
チャールズ皇太子御用達のシャンパーニュとして、食前酒に「ローラン・ペリエブリュット L・P マグナム」(現在のラ・キュヴェに相当)が、またデザートと一緒にいただく食後酒に「ローラン・ペリエ ロゼ マグナム」が登場しました。
ローラン・ペリエのラインナップ
さてここからは、そんなローラン・ペリエのラインナップを見ていきましょう!
英国王室御用達ながら、最もスタンダードなローラン・ペリエのシャンパーニュは、7,000円前後から購入できるので、週末のちょっとした贅沢に試してみるのも良いかもしれません。
Laurent-Perrier La Cuvée
ローラン・ペリエ ブリュット ラ・キュヴェ NV
これまでのローラン・ペリエのスタンダード・キュヴェだった「ブリュットL.P」から、さらにエレガントさとバランスを追求した新しいスタンダード、「ラ・キュヴェ」。
100以上の畑から厳選されたブドウを使用し、スタンダードの一図家ながら、4年以上の熟成を経て出荷されます。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 色調は淡い金色で、泡立ちは絹のように滑らかでイキイキとしています。
アロマ : 香りはもぎたての柑橘類や、白い花を連想させる繊細な印象が感じられます。後半に、白桃などの白い果肉の果実の香りが広がり、複雑さを感じさせます。
味わい : フレッシュでエレガント。心地よい余韻が印象的な、エレガントでバランスの取れた味わいの辛口シャンパーニュです。引用元: サントリー公式サイトより
ピノ・ノワール 30 – 35%
ムニエ 15 – 20%
Laurent-Perrier ULTRA BRUT NV
ローラン・ペリエ ウルトラ ブリュット NV
1981年に誕生したヌーベル・キュイジーヌの思想に基づくシャンパーニュ。
ヌーベル・キュイジーヌとは、素材本来の美味しさを味わうためには、ソースではなく、新鮮で質の良い素材で素直に表現することが大切だ、という考え方。
ローラン・ペリエ ウルトラ ブリュットは、ノン・ドザージュ(糖分を全く添加しない)で造られる、極辛口のシャンパーニュです。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 澄んだ透き通るようなクリスタルのような輝き。シャンパンのピュアさを想起させるような繊細な泡。
アロマ : レモンやライムなどを思わせる柑橘系、桃などの白い果実のフルーツと西洋スイカズラなどをイメージさせるフローラルな香りが凝縮し絡み合います。
味わい : 口に含むと鋭さを感じさせながら、バランスの良さ、エレガントさが感じられます。空気のような軽やか、かつ繊細でありながら、驚くべき長い余韻。フローラルでフルティーな香りが、ミネラル感と合わさり、ピュアでありながら芳醇な味わいを生み出します。引用元: サントリー公式サイトより
ピノ・ノワール 45%
Laurent-Perrier DEMI-SEC HARMONY NV
ローラン・ペリエ ドゥミ・セック ハーモニー NV
ローラン・ペリエ ドゥミ・セックは、甘口のシャンパーニュ。
かつて、シャンパーニュの主流が甘口だった頃、王侯貴族に愛されたのも甘いシャンパーニュでした。
凝縮感のあるローラン・ペリエ ドゥミ・セックは、デザートや濃い味付けのお料理と相性ぴったり。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 凝縮感が感じられる、輝きのある印象深いイエローゴールド。
アロマ : 凝縮感、芳醇さがまず感じられます。ドライフルーツ、炒ったアーモンド、へーゼルナッツ、パングリエをイメージさせる香りが続きます。
味わい : 年数の経過と共に、蜂蜜を思わせる深い香りとなります。バランスに良くかつ芳醇な味わい。口に含むとリッチさが、そして円熟感が口に広がります。引用元: サントリー公式サイトより
ピノ・ノワール 35%
ムニエ 20%
Laurent-Perrier BRUT MILLÉSIMÉ 2008
ローラン・ペリエ ブリュット ミレジメ 2008
ローラン・ペリエ ブリュット ミレジメは、非常に良いブドウができた年にだけ造られる、ヴィンテージシャンパーニュ。
「フレッシュさ」、「エレガントさ」「バランスの良さ」を保ちながら、その年の特徴をうまく表現しています。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 健全な淡いシャンパンゴールド。クリアで輝くような色合い。豊かなきめ細かい泡。
アロマ : 花のような華やかなトップノート。その後、柑橘系の果物の香りと複雑さを感じさせます。
味わい : 瑞々しくフレッシュなアタック。十分なフレッシュさと塩味を感じさせます。エレガントな引き締まった印象、そしてシャルドネの堅さ、力強さが有るミネラル感が続けて感じられます。フィニッシュには、ビターオレンジのようなニュアンスが感じられます。10年後もまだまだフレッシュさが感じられるでしょう。引用元: サントリー公式サイトより
ピノ・ノワール 50%
Laurent-Perrier GRAND SIÈCLE NV
ローラン・ペリエ グラン シエクル NV
ローラン・ペリエ グラン シエクルは、ローラン・ペリエのプレスティージュ・キュベ(メゾンの威信をかけて発表する最高級品)として生まれたシャンパーニュ。
実は、ローラン・ペリエのプレスティージュ・キュベは、ヴィンテージシャンパーニュではありません。
「プレスティージュ・キュベは、単一年のぶどうを使って造られるヴィンテージ・シャンパーニュであるはず」という常識に対して、ローラン・ペリエの改革者ノナンクール氏は、シャンパーニュ造りの原点ともいうべきアッサンブラージュ(調合)を提案します。
複数の年、複数の畑、複数の品種。
それらをバランス良く配合し、調和させることで、ローラン・ペリエならではの最高級品を誕生させたのです。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 煌く星のような輝きと淡いゴールドの色合い。絹のような細かい泡立ち。
アロマ : 微かな蜂蜜をイメージさせる香りを漂わせながら、凝縮感と複雑さを感じさせる香り。へーゼルナッツ、ローストしたアーモンド、ブリオッシュ、白い花などを思わせる香りが絡み合います。
味わい : シルクのようなたおやかさ、かつリッチな口当たり。豊かなミネラル感と驚くべきフレッシュさが感じられます。長い長い余韻が印象的です。芳醇さと上品さの絶妙なバランスがそこに感じられます。引用元: サントリー公式サイトより
ピノ・ノワール 45%
Laurent-Perrier CUVÉE ROSÉ BRUT MV
ローラン・ペリエ ロゼ MV
ローラン・ペリエ ロゼは、大手メゾンでは極めて珍しく、ブドウの果皮を漬け込む「セニエ法」と呼ばれる、非常に手間暇のかかる手法で造られているロゼ・シャンパーニュ。
フレッシュで繊細ながら、黒ぶどうに由来するしっかりとした骨格を感じる作品です。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 豊かな泡立ちと輝きのあるエレガントなラズベリーからサーモンピンクの色合い。
アロマ : フレッシュさを基調とした繊細なアロマ。ストロベリー、木苺、ラズベリー、ブラックチェリーのような新鮮なベリー系果実が、まるで目の前にあるかのようなフレッシュな香りが感じられます。
味わい : ローラン・ペリエ ロゼは、骨格とフレッシュさが組み合わさった快活な、バランスの取れたシャンパンです。口に含むと同時に凝縮したフルーツのフレーバー。徐々に新鮮なストロベリー、ラズベリーやチェリーの印象が広がり、それに続く余韻の長さと味わい深さは印象的です。引用元: サントリー公式サイトより
Laurent-Perrier ALEXANDRA ROSÉ 2004
ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼ 2004
ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼは、ヴィンテージ・ロゼ・シャンパーニュ。
ローラン・ペリエの現当主であり、ノナンクール氏の長女でありアレクサンドラ女史の結婚式で発表されました。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
テイスティングノート
外観 : 深みのあるサーモンピンクの色調。豊かなきめ細かい泡。
アロマ : 野いちご、赤スグリを煮詰めたジャムを感じさせる複雑で芳醇な香り。それに続き砂糖漬けした柑橘のノートが続きます。
味わい : エレガントで繊細。豊富なミネラル感。たおやかなかつしっかりした骨格が感じられ、その後、ベリー系のフルーツを感じさせる芳醇な余韻が感じられます。引用元: サントリー公式サイトより
シャルドネ 20%
Laurent-Perrier BLANC DE BLANCS BRUT NATURE NV
ローラン・ペリエ ブラン・ド・ブラン ブリュット ナチュール NV
こちらは、今年ローラン・ペリエが満を持してリリースした新作のキュヴェ。
メゾンとして初となるシャルドネ100%で仕立てシャンパーニュで、ローラン・ペリエの掲げる、「フレッシュ」、「エレガント」、「バランス」を見事に体現しています。
ブドウの高いポテンシャルを活かすため、ドサージュ(補糖)を行わず、シャルドネ本来の魅力を引き出したエレガンスの極みともいえるローラン・ペリエの「新しい顔」となるシャンパーニュです。
画像出典:※Instagram @champagnelaurentperrier さんより
ローラン・ペリエは、華やかなシーンにぴったりのシャンパーニュ!
英国王室御用達を獲得し、ロイヤルウェディングでも振る舞われたシャンパーニュ、ローラン・ペリエ。
お祝いの席にふさわしいシャンパーニュであるといえます。
シックで落ち着いた見た目は人や場面を選ばず、プレゼントにも安心です。
また、ローラン・ペリエは美味しいシャンパーニュとしてぜひ知っておきたい有名どころでありつつ、手も届く価格帯という嬉しい銘柄のひとつ。
ご自分へのご褒美など、特別なタイミングで味わってみられてはいかがでしょうか
ローラン・ペリエとの出会いが、素晴らしいものとなりますように!
いちご大福
「マリアージュ」を研究するレストラン“レヴェランス”で生まれた、いちご大福の中にモエ・エ・シャンドンのジュレを忍ばせたレストランデザートです。
フレンチシェフの遊び心から生まれた、シャンパン好きなら楽しくてたまらなくなるような逸品です。Bon appétit !