気温もぐっと下がり、すっかり秋めいてきた夜に、バーカウンターウィスキーを傾ける。
時節がら、そんな過ごし方も難しい状況が続いていますが、たまにはゆっくりとバーで大人の時間を愉しみたいものです。

この記事では、まずウィスキーの種類と、その飲み方について手短にご説明いたします。
ウィスキーをオーダーすると必ず飲み方を聞かれますが、初心者にとっては少しハードルが高いかもしれません。
ですが、後ほどご紹介する4つの飲み方を知っていれば、安心してオーダーできます。

そして、伝統のホテルバーから、マニアも納得のお店まで、ウィスキーの品揃えが充実しているのに加え、初心者でも安心して好みの1本に出合える厳選したバーを5軒ご紹介いたします。

※緊急事態宣言は解除されましたが、お店ごとに営業日、時間は通常と異なっている場合がありますので、詳細につきましては直接店舗にお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

いろいろあるウィスキーの種類

ウイスキーは、モルト(大麦麦芽)だけを原料にした「モルトウイスキー」と、トウモロコシをははじめとした穀物を原料にした「グレーンウイスキー」の2種類に大別されます。
そして、これら2種類から造られるのが、「シングルモルトウィスキー」と「ブレンデットウィスキー」です。

恐らく一度は耳にしたことのあるこの二つのウィスキーの違いを、簡単におさらいしていきましょう。

蒸留所の個性が光る
シングルモルトウィスキー

近年、個性豊かな味わいが魅力で広く飲まれるようになった「シングルモルトウィスキー」。

このウィスキーは、単一の蒸留所のモルトウィスキーだけで造られたものを指します。
蒸留所ごとに、土壌気候などの特徴が味わいに現れ、独自の個性を反映しています。

香りと味わいのバランスを追求
ブレンデットウィスキー

対して、「ブレンデッドウイスキー」は、モルトグレーンウィスキーを、絶妙な技術でブレンドし、バランスのとれた味や香りを追及したものです。
一度は耳にしたことがある、スコッチウィスキーバーボンウィスキーも、ブレンデットウィスキーに分類されます。

ジャパニーズウィスキーの最高峰であるサントリーの「」もブレンデットウィスキーで、その複雑な香りと洗練された味わいは、世界でも類を見ないものとして、最高クラスの評価を得ています。

愉しみが広がる飲み方

ウィスキーを愉しむ上で、「正しい飲み方」や「正解」はありません。
ですが、下記の4つの飲み方を知っていれば、自分の好みに合わせてスムーズにオーダーできるでしょう。

ストレート

ウィスキーの魅力ダイレクトに感じられる飲み方。
深い味わいと、長い余韻を愉しみます。
ただし、アルコール度数が40度かそれ以上なので、チェイサーを用意しましょう。

(オン・ザ・)ロック

氷で冷やされることにより、アルコールの刺激が抑えられ、ウィスキーの深い味わいをより感じられます。
また、徐々に溶けだした水分により、香りがだんだんと立ち上ってきて、変化を愉しめます。

トワイスアップ

ウィスキーと同量の水を加えます。
ウィスキーは、アルコール度数が20度前後が一番香りが感じられるので、隠れていた芳香を存分に堪能できます。

水割り・ソーダ割(ハイボール)

どちらもアルコール度数が和らぎ、食中に適した飲み方です。
シングルモルトはソーダ割、ブレンデットは水割りが、それぞれの特徴をはっきりと感じられるでしょう。

また、ウィスキーの種類特徴によっては、最適な飲み方もあるので、バーテンダーの方に聞いてみるとよいでしょう。
会話のきっかけにもなり、コミュニケーションの距離もぐっと近くなります。

大人の嗜み
ウィスキーを愉しむバー厳選5軒

すでにご自分のお気に入りの銘柄がある方も、これから開拓していきたい方も、その道のプロにガイド役を頼めば、ウィスキーの愉しみは格段に広がります。
こちらでは、品揃えはもちろんのこと、ウィスキーに精通したバーテンダーが在籍する厳選した5軒をご紹介いたします。

オークラの顔として半世紀以上
オーキッド・バー

画像出典:※Instagram @theokuratokyo さんより

オーキッドバーは、1962年開業のホテルオークラ東京時代から世界中のゲストから愛されてきたメインバーです。

半世紀以上の歴史を積み重ねてきた重厚な雰囲気はそのままに、2019年9月にThe Okura Tokyoのメインバーとしてリニューアル。
現在も、大人の社交場として、宿泊客だけにとどまらず多くの紳士淑女が集います。

シングルモルトブレンデットともに必要十分な銘柄を揃え、少し背筋の伸びる大人の時間を過ごすのに最適なバーです。

モルト愛好家の集まりが世界規模へ
ザ・ソサエティ

画像出典:※Instagram @parkhoteltokyo ​さんより

汐留、パークホテル東京の25階に位置する「ザ・ソサエティ」。

店のルーツは、1983年にスコットランドのエディンバラで設立された、ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(SMWS)に端を発します。
当初は、モルトウィスキー愛好家らが、蒸留所から樽ごと購入して仲間同士で楽しんでいましたが、味わいの素晴らしさに、その噂はあっという間に広がることに。
その結果、仲間が仲間を呼び、ソサエティーを結成するに至りました。
現在は、世界14ヶ国に支部があり、3万人を超える会員数を誇ります。

取り揃えるウィスキーは、ソサエティ本部の選定メンバーが厳選したもので、100種類を超える充実のラインナップ。
飲みなれた方だけでなく、ウィスキー初心者でも、飲み比べを通してその違いを体感できるおすすめのバーです。

1000種類以上のウィスキーが出迎える
Tokyo Whisky Library

画像出典:※Instagram @tokyowhiskylibrary ​さんより

天井近くまでウィスキーのボトルがずらりと並ぶトウキョウ・ウィスキー・ライブラリーは、2016年に表参道にオープン。
ライブラリー」の名の通り、1000種類以上の圧巻の品揃えです。
世界中のありとあらゆる銘柄は言うに及ばず、数十年以上前に瓶詰めされた貴重なオールドボトルもカバーします。

ウィスキーのエキスパートも常駐しており、好みの1本を求めて、初心者でも安心して身をゆだねることのできる名店です。

日本屈指のウィスキーの知識
BAR LIVET

画像出典:※Instagram @miyuki_foodie ​さんより

新宿三丁目の駅から、徒歩1分弱。
新宿を代表するモルトバーである、バー・リヴェット

オーナーバーテンダーの静谷和典氏は、ウィスキー関連の資格はほぼ制覇し、その知識、引き出しの多さには驚くばかり。
ストックするボトルも700本を優に超え、マニアックなオーダーも難なくこなします。
店名が表す通り、シングルモルトウィスキーのグレンリヴェットアンバサダーも務め、名実ともにウィスキー界を牽引しています。

ウィスキーばかりに目が行きがちですが、静谷氏は2019年、カクテルコンペティションで全国一位を獲得するほどの腕前。
食前にふらりと寄ってカクテルを一杯、食後には重厚なシングルモルトを傾ける、そんな使い勝手の良いバーです。

公式サイト 公式サイト
電話番号 電話番号
参考予算 参考予算
¥5,000~6,000

極上の隠れ家
Cask strength

画像出典:※Instagram @soniicious ​さんより

六本木通り沿いの地下一階。
石造りの外観が特徴的なバー、カスク・ストレングス

オーナーバーテンダーは、篠崎喜好氏
シングルモルトを中心に約1500種類のウィスキーを取り揃え、2003年のオープン以来マニアたちの心を掴んできました。

個室も3室完備し、日常を離れた時間を過ごすことができる、まさに「極上の隠れ家」です。

公式サイト 公式サイト
電話番号 電話番号
参考予算 参考予算
¥7,000~8,000

終わりに

いかがでしたでしょうか?

ウィスキーを愉しむ基本から始まり、日本でも有数のウィスキーバー5軒を見てまいりました。
ウィスキー初心者でも、飲みなれた方でも、専門店に行けば必ず発見があるかと思います。

上記の5軒をはじめ、ぜひバーへ足を運んで今まで知らなかった、試したことのなかったウィスキーに出合ってみてください。
より深いウィスキーの世界に引き込まれることでしょう。