「ボランジェってどんなメゾン？」
「ボランジェのシャンパーニュにはどんな特徴があるの？」
「メゾンのエピソードを知りたい！」
ボランジェのシャンパーニュは、「ピノ・ノワール」を主体とした豪快で力強く、男性的な印象で知られます。
メゾンの象徴でもある「ピノ・ノワール」の魅力を引き出す「樽熟成」へのこだわりも有名で、シャンパーニュで唯一、メゾン専任の樽職人を抱え、工房まで持っているほど。
シャンパーニュメゾンでは初めて、フランス国内の優れた工業や手工業に贈られる「無形文化財企業」にも認定されています。
そんなボランジェのシャンパーニュは、映画007のシャンパーニュとして非常に有名。
ボランジェのポスターにも「BOLLINGER, THE CHAMPAGNE OF JAMES BOND（ジェームズ・ボンドのシャンパーニュ）」と登場するほどです。
今回は、話題に事欠かないシャンパーニュメゾン・ボランジェについて存分にご紹介していきます。
ボランジェは、ワイン好きで知らない人はいないほど超有名なシャンパーニュメゾンのひとつ。
スタンダードな商品は5000円台から購入できるので、これを機会に一度味わってみるのもおすすめです！
それでは見ていきましょう。
ボランジェのシャンパーニュが男性的と言われる理由
ボランジェのシャンパーニュが男性的と言われるのは、芳醇で力強く、骨格がある味わいのため。
その秘密は、ピノ・ノワールにあります。
ボランジェスタイルの象徴であり、主として使われているぶどうでもある「ピノ・ノワール」は、黒ぶどうです。
シャンパーニュ造りに使われる3大品種の一つですが、最もメジャーなシャルドネと比べると、その配合比率が少なめになることが多い品種でもあります。
ボランジェでは、そんなピノ・ノワールを主役にしてシャンパーニュを造っているのです。
ピノ・ノワールの黒い果皮に由来するタンニンが、ふくよかさや力強さ、濃厚な果実味をシャンパーニュに与えます。
ボランジェといえば、映画007！
名前を聞いたことがない、という人はいないのではと思うほど有名な映画、『007』シリーズ。
熱狂的なファンも多い不朽のスパイ映画であり、2021年10月に公開された『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』で25作目となる超ロングセラーの名作です。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
そんな007シリーズは、シャンパーニュが頻繁に登場する映画としても有名です。
特にボランジェのシャンパーニュは、シリーズ8作目の初登場以来、最も多くの作品に登場しています。
ボランジェのポスターにも「ジェームズ・ボンドのシャンパーニュ」と書かれているんですよ。
ハードボイルドな女王陛下の諜報員「ジェームズ・ボンド」に似合うシャンパーニュ。
ボランジェの男らしい印象の一端を担う、ベストな組み合わせですよね。
ボランジェってどんなメゾン？
ボランジェは、1829年に創業。
以来約180年に渡り、家族経営を守り続けた伝統的なメゾンです。
ボランジェの造り出す高いクオリティのシャンパーニュは世界的にも知られており、1884年には英国王室御用達にもなりました。
ここでは、そんな歴史あるボランジェの礎を築いた「マダム・リリー」と、ボランジェ最大の特徴である、男性的なスタイルを支える「樽へのこだわり」をご紹介いたします。
シャンパーニュの女傑「マダム・ボランジェ」
「シャンパーニュの3人の女傑」をご存知でしょうか。
ひとりは、「偉大なる女性（ラ・グランド・ダム）」と呼ばれたヴーヴ・クリコの「マダム・クリコ」。
ひとりは、女性で初めて国葬が執り行われたポメリー社の「マダム・ポメリー」。
そして、ボランジェの「マダム・リリー」です。
ボランジェの3代目当主ジャック・ボランジェの妻であった、エリザベス・リリー・ボランジェ（マダム・リリー、マダム・ボランジェ）は、夫が亡くなった後を引き継いでメゾンを守り抜いた女性です。
第二次大戦下、ドイツ軍に占領されたフランスで、通称「ワイン総統（フランスからドイツへのワインの供出を指揮した）」を単身で追い返したという逸話は特に有名です。
そんな、ボランジェを今に繋いだマダム・リリーは、現在もボランジェというメゾンで大切に扱われる存在。
彼女の「シャンパーニュは白であるべき」という信条に基づき、彼女の喪があけるまでの40年間ノンヴィンテージのロゼ・シャンパーニュを造らなかったそうですよ。
「無形文化財企業」としても認められるシャンパーニュ造り
ボランジェのシャンパーニュ造りは、2012年、「無形文化財企業」としてフランス政府から認められ、シャンパーニュメゾンとしては初となる快挙を達成しました。
※「無形文化財企業」とは、フランス国内で特に優れた工業や手工業に贈られる認定です。
この背景には、ボランジェの樽への強いこだわりがあったのです。
ボランジェは、グラン・クリュ（特級畑）とプルミエ・クリュ（1級畑）をメインに広大な自社畑を所有し、全面積の約6割を占めるのが、ピノ・ノワール。
この高品質なピノ・ノワールのポテンシャルを最大限に引き出すために、ボランジェは樽での発酵と熟成に徹底的にこだわっています。
シャンパーニュで唯一、メゾン専任の樽職人を抱え、工房まで持っているボランジェ。
「無形文化財企業」として認められた背景には、ボランジェの樽への強いこだわりと飽くなき品質への追求心が大きく貢献したと言えます。
「無形文化財企業」は、フランスを代表するハイブランドであるエルメスやカルティエにも贈られており、いかに栄誉ある認定かがお分かりになるでしょう。
ボランジェはラインナップも個性的！
さてここからは、そんなボランジェのラインナップを見ていきましょう。
どんな素敵なエピソードを知っても、味わってみなければわからないことも多いもの。
でも、ラインナップを知らなければ、どれを選べばいいかわかりませんよね。
それぞれの特徴や味わいについても記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Special Cuvée
スペシャル・キュヴェ NV
スペシャル・キュヴェは、ピノ・ノワールを60%、シャルドネを25% 、ピノ・ムニエを15%で造られるボランジェの最もスタンダードなシャンパーニュ。
きゅっとシャープな酸味があり、ふくよかな香りがします。
5年から10年間熟成させたリザーヴワインを使用し、ブレンドして瓶詰め後、最低3年間の熟成を経て出荷されるマルチ・ヴィンテージシャンパーニュです。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい
品種シャルドネ 25%
ムニエ 15%
熟成期間
ドザージュ
最適な温度Bollinger Rosé
ボランジェ ロゼ NV
ボランジェ・ロゼは、スペシャル・キュヴェをベースに、ピノ・ノワールで造った赤ワインを5%から6%加えて造られるマルチ・ヴィンテージ ロゼ・シャンパーニュです。
ロゼ・シャンパーニュらしく、ベリーの豊かな香りを感じられます。
ボリューム感があり、非常に飲みごたえのあるボランジェらしいシャンパーニュです。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種シャルドネ 24%
ムニエ 14%
ドザージュ 最適な温度La Grande Année 2012
ラ・グラン・ダネ 2012
ラ・グランダネは、良いぶどうが収穫された年にのみ造られる、ヴィンテージ・シャンパーニュ。
9年間にも及ぶ熟成期間を経てリリースされ、凝縮感のある果実味と旨味のあるしっかりとした骨格が感じられ、バランスの良い酸味があります。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種シャルドネ 35%
ドザージュ 最適な温度La Grande Année Rosé 2012
ラ・グラン・ダネ・ロゼ 2012
ラ・グラン・ダネ・ロゼは、良いぶどうが収穫された年にのみ造られる、ヴィンテージ・ロゼ・シャンパーニュです。
良質なピノ・ノワール由来の濃密な果実味と、スモモ、シトラスや華やかでフローラルな香りが特徴的。
非常にクリーミーできめ細やかな泡が、長い余韻と共に口の中に広がります。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種シャルドネ 35%
ドザージュ 最適な温度Bollinger R.D. 2007
ボランジェ アール・ディー 2007
ボランジェ ・アール・ディーは、出荷直前まで澱引きを行わずに造られる珍しいシャンパーニュ。
R.D.とは、Recemment Degorge(レサマン・デゴルジェ）の略で、「ごく最近に澱引きを行った」という意味になります。
11年という長期熟成を経ることによって存分に引き出された旨味と、デリケートで複雑な香りに加え、ボランジェらしい力強さが感じられる特別なコンセプトの作品です。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種シャルドネ 30%
ドザージュ 最適な温度Vieilles Vignes Françaises 2008
ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ 2008
19世紀なかばにヨーロッパを震撼させた「フィロキセラ（ブドウネアブラムシ）」によって、現在ではほぼ根絶してしまっている、限りなく純粋に近い古木から収穫されるピノ・ノワールのみを使って造られる、超稀少なブラン・ド・ノワール。
フランスの誇りとも言われる奇跡のシャンパーニュです。
画像出典：※Instagram @cyrillebajolet さんより
味わい 品種 熟成期間 ドザージュ 最適な温度La Côte aux Enfants 2015
ラ・コート・オー・ザンファン 2015
アイ村のグラン・クリュ（特級畑）で収穫されたピノ・ノワール100%で造られる、ブラン・ド・ノワール。
良いぶどうができた年にだけ造られる、ヴィンテージの赤ワインです。
非常に強く果実味の感じられ、タンニンが濃い、リッチな作品。
ラ・グラン・ダネ・ロゼに加えられている赤ワインでもあります。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種 熟成期間 最適な温度PN VZ16
2020年8月に数量限定で初登場した、ピノ・ノワール100%で造られるマルチ・ヴィンテージ・シャンパーニュPN VZ15に続く第二弾です。
今回は2016年をベースに作られ、非常にクリーミーなテクスチャーで、ブリオッシュなどの香ばしい香りと共に、プラムやルバーブといった甘酸っぱい果実味が広がります。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種 熟成期間 ドザージュ 最適な温度Bollinger B13 2013
ボランジェ ベー・トレーズ 2013
雪と霜の影響により、決して恵まれたとは言えないヴィンテージとなった2013年。
ですが、早くからエシカルファーミング（持続可能なブドウ栽培、ワイン醸造）によってブドウ畑を管理してきたボランジェは、厳しい条件下でも、ブランドにふさわしいピノ・ノワールを生産・収穫に成功。
生産数限定で、B13（ベー・トレーズ）をリリースしました。
（※ベー・トレーズは、ボランジェの2013ヴィンテージを意味します。）
シトラスや黄色のフルーツのアロマに、ボランジェのピノ・ノワールらしい芳醇でボリュームのある味わいが特徴です。
画像出典：※Instagram @champagne_bollinger さんより
味わい 品種 熟成期間 ドザージュ 最適な温度豪快なシャンパーニュ・ボランジェでかっこよく乾杯しよう！
豪快で男らしいシャンパーニュ・ボランジェの魅力を感じていただけましたでしょうか。
映画007シリーズを観ながらボランジェを開ければ、映画もシャンパーニュももっと楽しく美味しくなりそうです。
ボランジェは、ハードボイルドな女王陛下の諜報員「ジェームズ・ボンド」の御用達。
きゅっと冷やして、かっこよくグラスに注げば、素敵な時間がおとずれそうだと思いませんか？
ぜひ一度、ボランジェをご賞味いただければと思います。
いちご大福
「マリアージュ」を研究するレストラン“レヴェランス”で生まれた、いちご大福の中にモエ・エ・シャンドンのジュレを忍ばせたレストランデザートです。
フレンチシェフの遊び心から生まれた、シャンパン好きなら楽しくてたまらなくなるような逸品です。Bon appétit !