「シャンパーニュの宝石」と呼ばれ、淡く輝く黄金色が美しいシャンパーニュ、ルイナール。
世界で初めて、シャンパーニュの販売を公に認められた最古のシャンパーニュ・メゾンとして知られます。
ルイナールのスタイルを象徴するのは、「白ワインの女王」とも呼ばれる高貴なブドウ品種、シャルドネ。
ルイナールが生み出す、繊細でエレガント、そして複雑な味わいのシャンパーニュは、「シャルドネの芸術」とも呼ばれます。
また、熟成ためのセラーとして、クレイエルと呼ばれる古代ローマ時代の石切場を使っていることも有名です。
この洞窟は、フランスの歴史的建造物としても認定されています。
今回は、創業から290年を超えるルイナールの魅力に迫っていきたいと思います。
シャンパーニュの特徴からメゾンの歴史、ルイナールの全ラインナップ、相性のよい料理までたっぷりお伝えします。
さっそくみていきましょう。
ルイナールのシャンパーニュは「シャルドネの芸術」
シャルドネとは「白ワインの女王」と呼ばれる品種。
冷涼な土地で栽培されたシャルドネは、すっきりと上品な味わいになると言われます。（シャンパーニュ地方は、ぶどう栽培の北限と言われている冷涼な地域です。）
メゾン・ルイナールは、シャンパーニュ地方きっての名産地であるコート・デ・ブラン地区とモンターニュ・ド・ランス地区のブドウを使ってシャンパーニュを造ります。
第一に、シャルドネの聖地とも呼ばれるコート・デ・ブラン。
「白い丘」という意味で、石灰質の土壌を持ち、ミネラルたっぷりで非常に優雅な印象になるシャルドネとして有名です。
第二に、ピノ・ノワールで有名なモンターニュ・ド・ランス地区。
この地区のシャルドネは、どっしりと個性的なことで知られ、シャルドネの骨格を感じることができると言われます。
コート・デ・ブランの硬質で繊細なシャルドネとモンターニュ・ド・ランスの力強く豊かな膨らみのあるシャルドネ。
この2種をアッサンブラージュ（調合・ブレンド）して造られるルイナールのシャンパーニュは「シャルドネの個性」を十全に表現していると讃えられます。
シャルドネ100%で造られるブラン・ド・ブランは、優雅でありながらしっかりと芯がある「シャルドネの芸術」とも呼ばれる逸品です。
ルイナールって、どんなメゾン？
メゾン・ルイナールは、1729年、ドン・ティエリー・ルイナール修道士の意志を継ぎ、その甥であったニコラ・ルイナールによって創設された、世界で最初のシャンパーニュメゾンです。
ドン・ティエリー・ルイナール修道士は、当時「泡立つワイン」として知られていたシャンパーニュの将来性を見抜き、ニコラにそのビジョンを託します。
繊維商として成功していたニコラ・ルイナールは、顧客へのギフトとしてシャンパーニュを配り、その後本格的に事業へ着手。
シャンパーニュ事業は急成長を遂げ、創設からわずか6年後には、シャンパーニュ事業1本に絞ってしまえるほどでした。
このようにして、今につながるメゾンの歴史がスタートします。
代表作は、淡く輝くブラン・ド・ブラン
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
代表作は、透明なボトルが淡く黄金色にきらめき、芸術品のような「ルイナール ブラン・ド・ブラン」。
シャルドネ100%で造られる、ルイナールのスタイルを体現する作品です。
日本でも非常に有名な「シャンパーニュの宝石」とも言われるこのシャンパーニュがリリースされたのは、2001年のこと。
それまでは、日本であまり知られていなかったメゾンの名前を一躍有名にしたのでした。
ランスの地下に拡がる静謐なセラー「クレイエル」
ルイナールは、「クレイエル」と呼ばれる、ランスの地下深く、8kmに渡って拡がる静謐な空間をシャンパーニュの熟成用セラーとして所有しています。
白い石灰石の3層のこの空間は振動を抑え、湿度と温度を一定に保つ熟成に最適な環境を持っています。
このセラーで静かに時を経て、ルイナールのシャンパーニュが完成します。
ローマ時代の石切り場であったクレイエルは、フランスの歴史的建造物としても指定を受けており、ルイナールを代表するイメージのひとつです。
現在ではシャンパーニュ生産者多くが、熟成用の貯蔵庫として利用しており、2015年にはユネスコ世界遺産にも認定されました。
アーティストとのコラボレーション
画像出典：ルイナール公式サイトより
その始まりは、1896年。
アール・ヌーヴォーを代表する画家、アルフォンス・ミュシャにポスターを依頼したことに遡ります。
現在では、世界的に有名なチェコ人アーティストであり、日本にもたくさんのファンがいるミュシャ。
当時、彼にとってこれが初めての広告の仕事だったそう。
このポスターは大変注目され、ここからメゾン・ルイナールとアートの関係が始まりました。
現在ルイナールは、国際的に活躍する現代アーティストとのコラボレーションを積極的に行っています。
「アーティスト イン レジデンス」と題して毎年続けられている取り組みでは、その年のコラボレーションアーティストと共に、年間で30以上のアートフェアにメインスポンサーとして参加。
新型コロナウィルスの影響で約1年延期されていた、イギリス人アーティストのデイヴィッド・シュリグリー氏とコラボレーションは、『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2021』にて無事に公開され、多くの訪れた人たちの心を掴みました。
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
持続可能な発展を目指す「セカンドスキン」パッケージ
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
2020年、ルイナールは「セカンドスキン」パッケージをリリース。
天然木質繊維から丹念に作られた紙で出来た100%リサイクル紙で、ボトルをかたどるように取り付けられている、新しいタイプのパッケージです。
従来のギフトボックスより9倍軽く、二酸化炭素排出量を60%削減することが可能で、環境に配慮したメゾンの姿勢は注目を集めています。
ルイナールのラインナップ
さてここからは、ルイナールのシャンパーニュをご紹介していきます。
ラインナップは全4種類。
シャルドネの名手らしくブラン・ド・ブランを中心に、料理との相性も良い、シャルドネの良さを活かしたロゼシャンパーニュも展開しています。
どれも魅力的なシャンパーニュですので、さっそく見ていきましょう。
Ruinart Blanc de Blancs NV
ルイナール ブラン・ド・ブラン NV
ルイナールを代表するシャンパーニュ。
高品質なシャルドネ100%から造られ、美しく淡い黄金色に、きめ細かく立ち上がる繊細な泡が幻想的。
よく熟した柑橘系の果実味が豊かで、ピーチなどと共にフローラルな香りが立ち上ります。
シャルドネ由来のすっきりとした酸味は、さまざまなジャンルの料理に合わせることが可能。
特に和食や、魚介類はおすすめで、鮨をはじめカルパッチョなど生の魚と高相性です。
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
味わい
品種
最適な温度Ruinart Rose NV
ルイナール ロゼ NV
ややオレンジがかった美しいピンク色。
チェリーやラズベリーの甘酸っぱさと共に、トロピカルフルーツのニュアンスが感じられる素晴らしいロゼシャンパーニュです。
ピノ・ノワールので造られた赤ワインが少量加えられており、ベリー系の豊かな果実味と共に、エレガントながら芯の通った骨格のある味わいが特徴。
生ハムやスモークサーモンを使用した前菜から、メインでは、バルサミコ酢などを使用した酸味のあるソースで仕上げた仔牛や仔羊との相性が抜群です。
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
味わい 品種シャルドネ 45％
最適な温度Dom Ruinart Blanc de Blancs 2007
ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン 2007
偉大な初代の名を関したドン・ルイナールは、ブドウの出来が良かった年にだけ造られる、ヴィンテージ・シャンパーニュ。
長期熟成による、複雑みのある深い香り。
最高品質なシャルドネに由来するエレガントな酸味と、よく熟したピーチなどの果実味と長い余韻が印象的です。
メゾンのトップ・キュヴェにふさわしく、前菜からメインまで通すことができ、究極の食中酒と言えるでしょう。
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
味わい 品種 最適な温度Dom Ruinart Rose 2007
ドン・ルイナール ロゼ 2007
ドン・ルイナールと同様、当たり年にだけ造られる、ヴィンテージ・シャンパーニュのロゼ。
ピノ・ノワールに由来する、しっかりとしたストラクチャーとエキゾチックな果実のアロマが特徴で、食中酒としてあらゆる料理に合わせることができる偉大なシャンパーニュ。
フレンチはもとより、中華をはじめとしたスパイシーなエスニック料理との相性も抜群です。
画像出典：※Instagram @ruinart さんより
味わい 品種シャルドネ 80％
最適な温度「シャンパーニュの宝石」は、華やかな贈り物にぴったり！
十分にルイナールの魅力を感じていただけましたでしょうか。
ルイナールのシャンパーニュは「シャンパーニュの宝石」とも言われる華やかな作品のため、どんなお祝いにもぴったり。
また、2029年の創業300周年控え、2019年からカウントダウンプロジェクトが始まっています。
カウントダウン限定のシャンパーニュがお目見えする可能性もあり、特別な贈り物を選ぶ際に是非検討しておきたいところです。
ますます目が離せません。
いちご大福
「マリアージュ」を研究するレストラン“レヴェランス”で生まれた、いちご大福の中にモエ・エ・シャンドンのジュレを忍ばせたレストランデザートです。
フレンチシェフの遊び心から生まれた、シャンパン好きなら楽しくてたまらなくなるような逸品です。Bon appétit !