シャトー・ラトゥール、ディナー、ワインをグラスに注ぐ

フランスの2大ワイン産地であるボルドーの中でもひときわ高い評価を得ている、シャトー・ラトゥール
パワフルなボディと力強い果実味が特徴で、「もっとも男性的」なボルドーワインと言われています。

また、ワインの完成度の高さに加えて、価格面でも世界トップレベルで、バラエティ番組の「芸能人格付けチェック」に”100万円ワイン”として登場したこともあり、名実ともに世界最高峰のワインなのです。

この記事では、まずシャトー・ラトゥールのスタイルや特徴について、ソムリエの視点から解説。
世界トップレベルと言われるワインの裏側をじっくりと見ていきます。
また、シャトー・ラトゥールは、他の生産者と比べると同じヴィンテージ(収穫年)でも数年遅れてリリースしますが、その理由と消費者側のメリットもしっかりとご説明しながら、現在発売されている最新ヴィンテージをご紹介いたしますのでお見逃しなく。

そして最後に、ワイン・アドヴォケイトという、ワイン業界でもっとも影響力のあるワイン専門誌で最高評価を獲得した、シャトー・ラトゥールの歴史的ヴィンテージを振り返っていきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

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※掲載されている価格は2022年05月10日時点のものです。

この記事は、ソムリエが執筆・監修を行っています。(最終更新日:2022/05/10)

【もっとも男性的】
シャトー・ラトゥールとは?

画像出典:※Instagram @caveslegrand_jp ​​さんより

シャトー・ラトゥールとは、フランスの銘醸地ボルドーの中でもトップクラスの評価を得る生産者のひとつ。
その名の通り、ワインのラベルには「塔」(la tour=ラ・トゥール)が描かれており、重厚なボディに凝縮した果実味が特徴で、「偉大なる塔」の異名を持ちます。

ボルドーには、1855年にナポレオン三世によって制定された「メドック格付け」という生産者の番付(ランキング)があり、頂点の第1級~第5級までに合計61のシャトー(生産者)が格付けされています。
その第1級には、「5大シャトー」と呼ばれるボルドー最高峰の5つのシャトーが選出されており、シャトー・ラトゥールはその一角をなす生産者。
5大シャトーの中でもっとも男性的なワインと評されており、よいヴィンテージのものは50年を超える熟成に耐えるポテンシャルを持つと言われています。

また、ワイン・アドヴォケイト(略記:WA)と呼ばれる、ワイン業界でもっとも影響力のあるワイン専門誌(100点満点でワインを評価)では、多くの100点(WA100)を獲得しており、名実ともに世界最高峰の赤ワインとして、ワイン愛好家の熱い視線を集める存在です。

ワイン・アドヴォケイトとは?
ワイン・アドヴォケイト(略記:WA)とは、弁護士のロバート・パーカー氏(2019年に引退、後進に引き継いだ)が1978年に創刊した、ワイン業界でもっとも影響力があると言われているワイン専門誌です。
世界初となる100点満点方式でのワインの評価や、感情に訴える分かりやすいコメントが人気を博し、あっという間に消費者たちの支持を獲得。
また、広告を一切掲載せず、一貫してワイン業界や生産者からの距離を保ち続ける独立性も共感を呼びました。

【止まらない進化】
なぜこれほどまでに高品質なのか?

シャトー・ラトゥールは、パワフルでタンニン(渋み)豊かな骨格と濃密な味わいで知られていますが、他のシャトーとは決定的な違いがあります。
その違いとは、いわゆる「オフヴィンテージ」と呼ばれる天候に恵まれなかった困難な年でも、他を寄せ付けない高い完成度のワインを造る点です。

では、なぜシャトー・ラトゥールはそのようなことが可能なのか?
その秘密を読み解くカギは、「畑の立地」「栽培方法」、そして「醸造」の3つにあります。

画像出典:※Instagram @decanter ​​さんより

まずは、畑の立地から見ていきましょう。
シャトー・ラトゥールは、メドック地区のポイヤック村の最南端に位置し、大西洋に流れ込むジロンド川という大河に沿ったエリアに多くの畑を所有。
ジロンド川の川面から照り返す放射熱や、水捌けのよい砂利質土壌が日中のをたっぷりと吸収するおかげで、冷夏の影響や霜の被害などを最小限に食い止めてくれるのです。
特に、シャトー・ラトゥールに使用されるブドウが栽培されている「ランクロ」と呼ばれる特別なエリアは、ジロンド川からわずか300メートルしか離れていない傾斜部にあり、平地よりも川からの放射熱や日照量の恩恵をより多く受けることができます。
こうした立地の特性をうまく活かすことによって、ラトゥールはたとえオフヴィンテージでも、良質なブドウを育て、素晴らしいワインへと造り上げるのです。

画像出典:※Instagram @marcosimonit ​​さんより

次に、栽培方法
土壌の性質によって畑を区画に分けてブドウを栽培する手法は、多くのワイン生産者たちに採用されてきましたが、シャトー・ラトゥールはさらに上を行きます。
所有する畑の土壌を衛星写真で細かく分析し、100以上の区画に分割。
さらには、ブドウ樹を1本単位で管理する徹底ぶりです。
また、通常よりも高密度でブドウ樹を植樹することによって、根がより地中奥深くへ伸びて、養分やミネラル分をより吸い上げるよう仕立てています。

画像出典:※Instagram @mayumi.happybow ​​さんより

そして、醸造です。
ラトゥールは早くから近代化されたシャトーとして知られており、1960年代から周囲に先駆けて、温度管理が困難とされていたステンレスタンクを導入し、区画ごとに発酵を行いました。
先ほどご説明したとおり、現在では100以上の区画に分けており、その区画の収穫量に合わせた特注のステンレスタンクを用い、24時間体制で温度コントロールを行っています。

しかし、最先端の技術だけに頼っているわけではなく、ブドウの選果はベテランの職人のてによって粒単位で行われており、果汁はプレスせず、「フリーランジュース」と呼ばれるブドウの重みだけで自然に流れ出る果汁を重視。
また、果汁のタンクへの移動は、ポンプなどの外的な力を使わず、重力に従って流れる仕組みを作ったりと、細心の注意を払ってワイン造りが行われています。

【自然への回帰】
オーガニック/ビオディナミへの転換

画像出典:※Instagram @__and__rey__ ​​さんより

最後に、栽培方法と重複しますが、シャトー・ラトゥールは、農薬や化学肥料を使用しないオーガニック農法や、より厳しい基準のビオディナミ農法を積極的に取り入れています。
ボルドーは、ブルゴーニュに比べ圧倒的に生産量が多く、農薬等を使用しないワイン造りは、品質の安定という点では非常にリスキーなのになぜか?

この背景には、畑やブドウ樹が本来持っている生命力を最大限に引き出そうとする考えがあります。
人間に例えると、「自己免疫力」を高めるといったら分かりやすいかもしれません。
ワイン造りは、天候不順や病害のリスクと常に隣り合わせですが、農薬や化学肥料の使用が根本的な解決策とは言えないのです。

画像出典:※Instagram @mika_boudot ​​さんより

ワイン造りとは、つまるところ農業であり、自然の一部を借りて行う行為です。
ワイン業界でも年を追うごとに、SDGs(持続可能な開発目標)の重要性が増していますが、ボルドーのトップ・シャトーの中でも、ラトゥールはいち早くオーガニックやビオディナミといった農法に舵を切っていました。
常に最先端の技術を取り入れ、最高品質のワインを生み出し続けてきたラトゥールですが、リスクを取ってでも、土壌やブドウ樹が持つ本来の生命力を高めるといった方針に至ったのは、シャトー・ラトゥールとしての将来的な発展性や持続性を考慮すれば必然だったのかもしれません。

シャトー・ラトゥールのための区画「ランクロ」は、厳格な基準のビオディナミ認定に合格。
そして2018年、シャトー・ラトゥールは、格付第1級シャトーとして初めてエコセールのビオロジック認証を獲得したのでした。

【衝撃を与えたプリムールからの撤退】
長年の商慣習を止めたラトゥール

画像出典:※Instagram @enomotionwineclub ​​さんより

ボルドーには、「プリムール」と呼ばれる古くから続く商慣習があります。
プリムールとは、瓶に詰められる前の樽に入った状態のワインを、通常よりも安い価格で販売する、いわゆる”先物取引”のようなシステムです

というのも、通常ボルドーの多くのシャトーは、ブドウの収穫から瓶詰めしてリリースするまでに2年程度、トップ・シャトーに至っては2年半~3年程度もかかります。
つまり、ブドウを収穫してから現金が手もとに入ってくるまでに、それだけの時間がかかっているということです。
普通の会社であればとても健全なお金の流れとは言えません。
そこで、樽のなかで熟成途上にあるワインを”早割り”のようなかたちで先に販売し、現金化する仕組みが造られました。
これが、プリムールです。

画像出典:※Instagram @maisonmontagnac ​​さんより

しかし、シャトー・ラトゥールは2011年ヴィンテージを最後に、このプリムールから撤退し、ワイン業界を驚かせます。
理由は、「樽に入った状態でのワインの評価は難しい」「飲み頃を迎えたワインをリリースしたい」という考えからです。
加えて、他のシャトーより数年遅れて販売した方が、やはり高い価格で取引可能なので、資金繰りの面で問題のない(※)シャトー・ラトゥールにとっては、とても合理的な決断でした。

また、リリースされたワインは、フランス国内外のワイン商を経て各国の消費者のもとに届きますが、バックヴィンテージとなると流通ルートやその間の保管状態については不透明な部分が出てきます。
その点を考えると、蔵元というこれ以上ない理想的な環境で、飲みごろまで保管されていたということが担保されるラトゥールの最新ヴィンテージは、消費者にとっては決して高い買い物ではないでしょう。

(※)現在、シャトー・ラトゥールは、グッチやボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガといったラグジュアリーブランドを擁するケリング・グループの傘下にあります。

【最新ヴィンテージ】
シャトー・ラトゥール
全ラインナップ

ここからは、シャトー・ラトゥールが展開する全ラインナップをご紹介いたします。
まず、フラッグシップであるシャトー・ラトゥールの他には、セカンドワインのレ・フォール・ド・ラトゥールと、サードワインのポイヤック・ド・ラトゥールの2種類。
セカンドやサードというのは、文字通り2番手、3番手のワインで、主に若い樹齢のブドウやトップワインの基準に満たなかったブドウから造られます。
決して、”格落ち”というわけではなく、栽培や醸造は同じワイナリーが行いますし、比較的リーズナブルな価格で購入可能なので、逆に狙い目のワインと言えます。

それではさっそく見ていきましょう。

【ボルドー屈指の重厚なボディを愉しむ】
シャトー・ラトゥール 2013

シャトー・ラトゥール、2013
参考価格:¥77,800~(税込) /(750ml)
【詳細情報】
ワイン・アドヴォケイト (WA): 93

ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニョン 95.2%
メルロ 4.4%
プティ・ヴェルド 0.4%

2013年は、ボルドーにとって非常に難しいヴィンテージとなりました。
不安定な気候により、春は雨や湿度、夏には嵐の被害にも見舞われ、各シャトーは厳しい選果を強いられることに。
シャトー・ラトゥールも例外ではありませんでしたが、素早い収穫と選果が功を奏し、健全な状態でブドウを得ることができました。

例年のような壮大なスケール感はないものの、洗練されたしなやかなボディと溢れる果実味が魅力のワインです。
長期熟成型のラトゥールにあって、比較的早い時期から楽しめるのは、難しいヴィンテージならではの恩恵ですし、難しいヴィンテージに強いラトゥールだからこその完成度の高さも楽しめます。
また、収穫から9年を経たバックヴィンテージですが、リリース直前までシャトーで保管されていた極上のコンディションということを考えると、首を長くして待った甲斐があったというものです。

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【セカンドとは呼べない完成度】
レ・フォール・ド・ラトゥール 2015

レ・フォール・ド・ラトゥール、2015
参考価格:¥38,800~(税込) /(750ml)
【詳細情報】
ワイン・アドヴォケイト (WA): 94 +

ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニョン 63%
メルロ 35.6%
カベルネ・フラン 0.5%
プティ・ヴェルド 0.9%

2015年は、ボルドーにとって歴史的なヴィンテージ。
温かく乾燥した春に続き、7~8月も暑く乾燥して日照量も十分でした。
完熟した果実味、豊富なタンニンが特徴で、熟成には長い時間が必要なヴィンテージといえます。

セカンドワインとは言えない価格帯のレ・フォール・ド・ラトゥールですが、その味わい・完成度は並のシャトーでは太刀打ちできないレベルです。
シャトー・ラトゥールに使用される「ランクロ」の周囲の囲む区画のブドウが使用され、ラトゥールとの醸造面の違いは新樽の比率のみという贅沢な造り。
長熟型のヴィンテージですが、比較的早くから楽しめるスタイルで、シャトー・ラトゥールの片鱗を感じてみたい方におすすめです。

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【本家よりもレア?入門にぴったり】
ポイヤック・ド・ラトゥール 2016

ポイヤック・ド・ラトゥール、2016
参考価格:¥12,980~(税込) /(750ml)
【詳細情報】
ワイン・アドヴォケイト (WA): 89

ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニョン 54.6%
メルロ 38.9%
プティ・ヴェルド 6.5%

サードワインにあたる、ポイヤック・ド・ラトゥール。
生産量はラトゥールの10分の1程度しかない、実は希少なワインです。

価格的にも一番手の出しやすいアイテムで、高品質なボルドーとは?という疑問に素直に答えてくれるお手本となる1本です。
ベリー系のフレッシュなアロマに、きめ細かなタンニンとよく熟した果実味が口いっぱいに広がります。
同じヴィンテージの2016年のシャトー・ラトゥールは、WA100獲得した偉大なワインでもあるので、少しでも気になった方はお早めに。

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【パーフェクトワイン】
WA100 ヴィンテージ

ワイン専門誌、ワイン・アドヴォケイト上では、毎年1万種類以上のワインがテイスティング・評価されていますが、そのうち100点満点を獲得するものは、全体の1%未満
WA100の評価を得たワインは、”パーフェクトワイン”と呼ばれ、瞬く間に価格が急騰し、ワインコレクターたちのセラーへと消えていきます。

こちらでは、非常に厳しい評価基準をクリアしてWA100を獲得したシャトー・ラトゥールのヴィンテージを振り返っていきましょう。

2018

画像出典:※Instagram @hansmartingesellmann ​​さんより

2018年は、冬~春まで冷たい雨に悩ませられ、「ベト病」と呼ばれるカビの一種が多くの畑で発生。
オーガニックやビオディナミ農法を取り入れているシャトー・ラトゥールは特に苦しめられ、収穫量はかなり減ることに。
しかし、7月中旬から収穫までは、反対に暑く乾燥した天候が続き、収量が減った分、栄養が生き残ったブドウに栄養が集中して、結果として傑出したヴィンテージとなりました。

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
※リリース前
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン 91%
メルロ 9%
2016

画像出典:※Instagram @ericssonmagnus ​​さんより

2016年は、前半(1~6月)と後半(7月~収穫)とで、対照的なヴィンテージとなりました。
冬から春にかけては、雨が多く湿度にも頭を悩ませる難しいスタートとなりましたが、7~8月は打って変わって、晴天の続く暑く乾燥した夏に。
収穫期の9~10月も好天に恵まれ、卓越したブドウの収穫に成功しました。

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
※リリース前

ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン 92.9%
メルロ 7.1%
2010

2009年に続き、突出したヴィンテージとなった2010年。
春先まで湿度の高さから開花が不安定でしたが、夏は十分な日照量があり、熱く乾燥した気候に恵まれました。
昼夜の寒暖差も申し分なく、ブドウの成熟には理想的な条件下で収穫を迎えることに。

An intense and beautifully bright colour. the nose is incredibly expressive, pure and aromatic. On the palate, the structure is extremely delicate, elegant with matured fruits flavours. Tannins are rich, noble and silky.

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
参考価格:¥400,000~(税込)/(750ml)
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン 85%
メルロ 14%
プティ・ヴェルド 1%
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2009

過去最高と言われた2005年を超える偉大なヴィンテージとなった2009年。
4月までは気温があまり上がらず、雨も多かったため、ブドウの生育が遅れがちでしたが、5月以降天候は回復。
その後収穫まで、熱く乾燥した気候に恵まれ、偉大なワインが生まれる条件が整いました。

Great concentration and a previously unseen quantity of tannins characterized the wines, which possessed extraordinary aromatic intensity, freshness and precision. Rich, ripe and mineral, with a very long, lingering finish. An exceptional year which will improve for many years to come.

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
参考価格:¥235,070~(税込)/(750ml)
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン 91.3%
メルロ 8.7%
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2003

2003年は、フランスが記録的な熱波に見舞われたヴィンテージ。
ボルドーでは、春先までは比較的暖かかったですが、4、5月は冷涼な気候に。
しかし、6月から暑さが始まり、8月には猛暑となりました。
11日連続で35℃を超える日を記録し、40℃を超える日も。
酸は控えめで、ポートワインを思わせるような濃厚な果実味と高いアルコール度数が特徴です。

The weather in September rewarded us with silky, round tannins, in exceptionally healthy conditions. The balance of the Grand Vin thus offers a very fruity, full-bodied, generous palate. The structure is powerful and dense with a very long finish. There is no doubt that the 2003 will take a place among the property’s greatest vintages while at the same time being one of its most unusual.

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
参考価格:¥156,354~(税込)/(750ml)
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン 81%
メルロ 18%
プティ・ヴェルド 1%
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1982

画像出典:※Instagram @tt_food_journal ​​さんより

1982年は、年間を通して理想的な天候に恵まれ、歴史に残る偉大なワインが多数生まれた傑出したヴィンテージ。
豊富なタンニンを含むパワフルなボディで、長期熟成に適しています。

また、当時多くのワイン評論家が、1982年に対してネガティブなコメントをしたのに対して、ワイン・アドヴォケイトを創刊したロバート・パーカー氏は、一貫してこのヴィンテージの優位性を主張。
結果として、パーカー氏を一躍有名にしたヴィンテージとしても有名です。

パーカー氏は、この82年のラトゥールを長い期間にわたって複数回テイスティングしていますが、評価はいずれも100点満点。
40年近く経った現在でも完全無欠のワインとして、ワイン史上におけるアイコン的な存在となっています。

This vintage is totally complete: colour, fruit, body, structure, balance, length. The nose remains closed, but of a surprising complexity. On the palate it has huge concentration combined with a great smoothness.

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン n/a
メルロ n/a
カベルネ・フラン n/a
プティ・ヴェルド n/a
1961

画像出典:※Instagram @domaine.mm10 ​​さんより

ワインの歴史上、ボルドーにおけるもっとも偉大で重要なヴィンテージのひとつとされているのが、1961年。
国内外のワインオークションにおいても、花形のヴィンテージとして特別視されています。
また、5大シャトーをはじめ、トップ・シャトーのものは、いまだに飲み頃だと言われており、ワイン愛好家たち垂涎の的となっているヴィンテージです。
シャトー・ラトゥールを語る上では外すことのできない歴史的ヴィンテージですので、もし味わうことができたなら、この上ない幸運と言えるでしょう。

Tastings after running-off suggested a great wine. It was clean-tasting, brightly coloured, very rich, very ripe, very roasted and very full-bodied. Such colours had not been seen for a long time. In the mouth it is phenomenal, full of fruit, structured, incredibly concentrated and perfectly balanced. The tannins are very present, but without being aggressive. Very long finish. It has barely reached its peak and will improve further.

ワイン・アドヴォケイト (WA): 100
ぶどう品種 品種
カベルネ・ソーヴィニヨン n/a
メルロ n/a
カベルネ・フラン n/a
プティ・ヴェルド n/a

終わりに

重厚なボディと力強い果実味で、ボルドーを代表する5大シャトーの中でも圧倒的な存在感を示すシャトー・ラトゥール
そのワイン造りのスタイルや特徴にはじまり、入手可能な最新ヴィンテージ、そしてWA100を獲得した歴史的ヴィンテージまでを見てまいりました。

味わい、価格ともに世界最高峰と言える偉大なワイン。
シャトー・ラトゥールを飲む機会があれば、ぜひこの記事を振り返っていただければ幸いです。