自然派シャンパーニュの代名詞ドラピエ。ぶどうの品質に絶対的自信を持つメゾンのシャンパーニュ造りに迫る。

1989年から完全無農薬栽培を始め、現在では自然派シャンパーニュの代名詞としても知られるメゾン、ドラピエ。
フランスで、自然派ワインの造り手たちからも深く愛されていると名高い、正真正銘、自然派を代表する由緒あるシャンパーニュメゾンです。
ドラピエのシャンパーニュは、ピノ・ノワールをスタイルの象徴としたふくよかで芳醇な味わいが特徴的。
「ぶどうの品質に絶対の自信を持っているからこそのノン・ドザージュ(糖分無添加)」を掲げた辛口シャンパーニュは、土地の個性をよく反映したぶどう本来の味わいを感じることができると言われています。

今回のテーマは、そんなメゾン・ドラピエのシャンパーニュ造りです。
世界三大テノール歌手として名を馳せた故ルチアーノ・パヴァロッティ氏も、「喉に優しい」と愛飲していたというドラピエのシャンパーニュ。
さっそくその魅力迫っていきましょう!

ドラピエが自然派ワインの代名詞である理由。

ドラピエのシャンパーニュは、自然派ワインの代名詞と言われます。
その理由は、いち早く初めてこれまで徹底してきたぶどうの完全無農薬栽培と酸化防止剤を使わないワイン造りによるものです。

いち早くはじめた完全無農薬栽培

ドラピエは、1989年から完全無農薬栽培をスタートし、これまで約30年に渡って畑を守り育ててきました。
農薬を使わない選択をした当時は、病害虫の影響でぶどうの収穫量は30%も減り、畑の見た目も悪くなったそう。
しかし、それでも諦めず「この状態が自然だったのだ。」と考え地道にひたすらに完全無農薬による畑造りを続けてきたと言います。

そんな手間をかけての完全無農薬栽培へと乗り出したのは、8代目である現当主ミッシェル氏に長女としてシャルリーンさんが誕生したのがきっかけでした。
「子供達の将来を考えたぶどう栽培を」と考え、実際に取り組んだのです。

現在では、その努力のかいあって、一切農薬を使わずに良質のぶどうを収穫し、自然派ワインの代名詞として名を馳せるまでになりました。

酸化防止剤(SO2)を使わないワイン造り

ドラピエのシャンパーニュ造りでもう1点注目すべきは、酸化防止剤(SO2)を極力使わないこと。
一般的に1リットルあたり100mg程度添加されるものを、35mgまで抑えています。
また、2007年には、酸化防止剤(SO2)を完全に使わないシャンパーニュすら発表し、話題を呼びました。

シャンパーニュでは、亜硫酸(SO2または二酸化硫黄とも)が酸化防止剤として一般に使われています。
亜硫酸とは、は酸化した硫黄が水に溶けている状態のもの。
少量であれば問題はありませんが、刺激物であり、多少は風味に影響のあるものです。

ドラピエは、純粋なぶどう本来の風味を持ったシャンパーニュを追求するために、年々この酸化防止剤の使用を減らす取り組みを行っています。

ドラピエを象徴するピノ・ノワール

ドラピエのシャンパーニュの味わいを象徴するのは、ピノ・ノワールという黒ぶどうです。
ピノ・ノワールは、赤ワインを造るときにも使われる黒ぶどうであり、その黒い果皮に由来するタンニンが、ふくよかさや力強さ、濃厚な果実味をシャンパーニュに与えます。
完全有機栽培で育ったピノ・ノワールで造られるドラピエのシャンパーニュは、ぶどう本来の純粋な果実味をしっかりと感じられると言われています。

ドラピエ家が完全有機栽培を目指して長年手入れしてきたぶどう畑の70%がピノ・ノワールであり、メゾン本拠地のあるシャンパーニュ生産地の南端、オーヴ県ウルヴィル村にピノ・ノワールを根付かせたのもメゾン・ドラピエの功績。
実は、メゾンのあるウルヴィル村は、石灰質で、ピノ・ノワールの栽培に最適な土壌を持っています。
1930年、ブルゴーニュから持ってきたピノ・ノワールを初めてこの地に植えた現当主ミシェル氏の祖父ジョルジュ氏。
現在では「ピノの父」と呼ばれています。

ノン・ドザージュは、ぶどうの品質への絶対的な自信の現れ。

ドラピエのシャンパーニュについて、もう一つの大きな特徴は、ドザージュの少なさです。
シャンパーニュは、仕上げとしてドザージュ(糖分の添加)が行われるのか一般的です。
そのドザージュの量によって辛口から甘口まで7段階に表記も別れます。
このドザージュは、「門出のリキュール」とも呼ばれ、この添加されるリキュールの質や量が、シャンパーニュの味わいに大きな影響を与えるのですが、ドラピエでは、このドザージュ量が少ないという特徴があります。
現在、ドラピエの最もスタンダードなシャンパーニュであるカルト・ドール・ブリュットのドサージュは1リットルあたり6g – 7g。
これは、ぶどうの品質に対する絶対的な自信の表れだと言います。
実直に、ぶどう本来の旨味を感じられるように、ごまかしなく勝負しているシャンパーニュメゾンなのです。

シャンパーニュの甘辛度表をみる

Brut Nature(ブリュット・ナテュール)
糖分無添加で1Lあたりの糖分が0-3g未満のもの。極辛口。
Extra-Brut(エクストラ・ブリュット)
6g/L 未満、辛口
Brut(ブリュット)
12g/L 未満、辛口
Extra-Sec(エクストラ・セック)
12-17g/L 未満、やや辛口
Sec(セック)
17-32g/L 未満、やや甘口
Demi-Sec(ドゥミ・セック)
32-50g/L 未満、甘口
Doux(ドゥー)
50g/L 以上、極甘口

ドラピエのラインナップ

さてここからは、ドラピエのラインナップをご紹介していきましょう!
飲んでみたいとなった時、いちばんに気になるのは価格とラインナップですよね。
さっくりとした説明とともにまとめましたので参考にしてみてください。

Carte d’Or(カルト・ドール)

画像出典:※Instagram @champagne_drappier_hk さんより

メゾン・ドラピエの最もスタンダードなシャンパーニュ。
ピノ・ノワール80%、シャルドネ15%、ムニエ5%で造られています。
参考価格:5,480円

Signature Blanc de Blancs(シニャチュール・ブラン・ド・ブラン)

画像出典:※Instagram @champagne_drappier さんより

ドラピエのブラン・ド・ブランは、シャンパーニュ。シャルドネを95%、「Blanc Vrai(本当の白)」とも呼ばれるピノ・ブランを5%の比率でブレンドして造られます。
参考価格:8,008円

brut-nature(ブリュット・ナチュール)

画像出典:※Instagram @champagnedrappier_pt さんより

ブリュット・ナチュールは、ピノ・ノワール100%で造られるブラン・ド・ノワール。
その名の通り、ノン・ドザージュの極辛口シャンパーニュです。
参考価格:6,578円

rose-nature(ロゼ・ナチュール)

画像出典:※Instagram @champagnedrappier_pt さんより

ロゼ・ナチュールは、ブリュット・ナチュールと同じくピノ・ノワール100%で造られるブラン・ド・ノワール。
こちらも、ノン・ドザージュの極辛口のロゼ・シャンパーニュです。
参考価格:7,722円

Rosé de Saignée(ロゼ・ド・セニエ)

画像出典:※Instagram @champagnedrappier_pt さんより

ロゼ・ド・セニエは、シャンパーニュ地方では珍しく、「セニエ法」で造られているロゼ・シャンパーニュです。
ぶどうの果皮を一緒に漬け込み、ワインが程よく色づいたところで取り出す、という製法で、手間がかかることで知られます。
このシャンパーニュも、ピノ・ノワール100%で造られる、ブラン・ド・ノワールのシャンパーニュです。
参考価格:5,378円

自然派シャンパーニュに興味があるなら、まずはドラピエを飲んでみよう!

自然派シャンパーニュの代名詞とも言われるドラピエ。
オーガニック志向の方などに特におすすめのシャンパーニュ・メゾンです。

手塩にかけて造られたシャンパーニュを、ぜひ心置きなく、心地よく味わってみてください。
ぶどう本来の旨味や果実味を感じられるはずですよ。

シャンパーニュとすてきなひとときが過ごせますように。