フルーツカクテルの魅力は、その彩り豊かな季節感だけではありません。
果物の甘みで、アルコールの刺激が和らぎ、とても口当たりの良いカクテルになります。
また、お酒があまり強くない方でも、果実味が十分にありますので、ベースのお酒を少なくしても、しっかりカクテルを飲んでいる感覚を味わえます。

この記事では、まずは、バーで主に使用される、季節ごとのフルーツを簡単にご説明した後、特にフルーツカクテルに定評のあるバーをご紹介いたします。

女性一人でも訪れやすいバーから、世界一に輝いたバーテンダーのカクテルに酔いしれる名店まで全10軒を、さっそく見ていきましょう。

旬のフルーツ

最近では、ビニールハウスでの栽培が一般的となっているため、店頭に並んでいるフルーツなどでは、あまり季節感を感じにくくなってきています。
ここでは、フルーツカクテルで使用さる代表的なものを、季節に沿ってご紹介いたしますので、バーを訪れる際のご参考にしていただければと思います。

春|4月~6月
イチゴ、マンゴー、デコポン、甘夏みかん、はっさくなど
夏|7月~9月
スイカ、びわ、桃、巨峰、パッションフルーツ、かぼすなど
秋|10月~12月
梨、ラ・フランス、ザクロ、ゆず、だいだい、いよかんなど
冬|1月~3月
きんかん、ポンカン、ぶんたん、キウイフルーツなど

ぜひ訪れていただきたいフルーツカクテルの名店10選

ふと、季節を感じる瞬間は、食卓に並ぶ食材であったり、出先で見る植物の移ろいであったり。
バーカウンターでは、大皿やバスケットに盛り付けられたフレッシュフルーツが、食べごろを思わせる鮮やかな発色で、客たちに季節を教えてくれます。

ここからは、フルーツカクテルに定評のあるバーを厳選してご紹介してまいります。
フルーツ産地の活性化を背負ったバーから、世界一のタイトルを持つバーテンダーのお店まで、個性豊かなラインナップが揃っていますので、さっそく見ていきましょう。

※緊急事態宣言は解除されましたが、お店ごとに営業日、時間は通常と異なっている場合がありますので、詳細につきましては直接店舗にお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

フルーツカクテルの魔術師
The Bar Casabranca

画像出典:※Instagram @thebarcasablanca ​​さんより

フルーツカクテルの第一人者と言っても過言ではない、オーナーバーテンダーの山本悌地氏
バーテンダーの全国大会で日本一になった腕に加え、『カクテルフレッシュフルーツテクニック』(柴田書店)を著すほど知識経験が豊富なバーテンダーです。

フレッシュフルーツの甘みと酸味を活かしながらも、お酒の個性を失わない絶妙のバランスが、最大の魅力。
普段、スタンダードカクテルを好まれる方にこそ訪れていただきたいバーです。

日本のフルーツを世界に発信
銀座 Bar Misty

画像出典:※Instagram @moe_i98 ​​さんより

バー・ミスティは、全国の都道府県庁の依頼を受け、フルーツカクテルを創作しているバー。
オーナーバーテンダーの三澤政樹氏は、カクテルを通して、フルーツの生産地のPR活性化を目指し、さらに日本の農産物の魅力を世界に向けて発信していこうとする稀有な存在です。
年間に生み出されるフルーツカクテルは300種類を超え、その創作意欲に驚かされます。

他のバーでは、なかなかお目にかかれない特産のフルーツも多く、季節を感じに銀座へぶらり訪れたいものです。

銀座の名店で味わう旬のフルーツ
Bar Seven Seasons

画像出典:※Instagram @yoshiko.t212 ​​さんより

銀座7丁目、資生堂ビルのすぐ隣のビル地下1階に佇む、バー・セブンシーズンズ
4丁目の名店、バー・フォーシーズンズの2号店としてオープンして早7年。

確かな腕のバーテンダーが作りだすスタンダードカクテルに加え、各地から送られてくるフレッシュフルーツを使った様々なカクテルが魅力のバー。
ベーシックなレシピはありますが、客の好みに柔軟にあわせてくれる懐の深さも見逃せません。
女性一人でも訪れやすい雰囲気ですので、仕事終わりに一人カウンターでグラスを傾けるのも、贅沢な時間の過ごし方ではないでしょうか。

南国タヒチを思わせる店内
Bar Tiare

画像出典:※Instagram @bartiaretokyo ​​さんより

タヒチの国花「ティアレ」という白い花にちなむ、バー・ティアレ
首飾りにも使われる花で、幸せを運ぶという素敵なエピソードもあります。

店内は南国を思わせる雰囲気で、「さぁフルーツカクテルを飲もう」とする気分を高めてくれます。
オーナーバーテンダーの水澤泰彦氏は、バーテンダーの全国大会で日本一の経験もある大ベテラン。
好みの旬のフルーツを選び、あとは水澤氏へお任せしてしまえば、ゆったりと流れる時間に身をゆだね、至福のひと時を過ごせます。

ホテル最上階で楽しむフルーツカクテル
Roof Top Bar

画像出典:※Instagram @meeeeeeeilog ​​さんより

虎の門ヒルズの最上階、アンダーズ東京の52階に位置するルーフトップバー
ホテルバーながら、採光の良い店内は、海外を思わせるカジュアルさも併せ持つ空間です。

フルーツカクテルに加え、野菜や、ハーブスパイスを巧みに組み合わせた斬新なカクテルも充実。
レインボーブリッジを望む夜景と最先端のカクテルを愉しむことができる、デートにも最適なバーです。

世界一のバーテンダーと生産者が生み出す
カクテル
石の華

画像出典:※Instagram @moty1130 ​​さんより

カクテルコンペティションの世界大会で優勝し、見事世界一に輝いた石垣忍氏

チャンピョンの称号がやはり一番最初に紹介されますが、真骨頂は、石垣氏の味覚と言えます。
天才的とさえ言われる石垣氏の味覚は、日々、個体ごとに味わいの異なるフルーツの状態を見極め、最適なカクテルへと導きます。

動画出典:ITOHARI 公式チャンネルより

また早くから、Farm to Barを実践してきたことでも有名で、各地の農家を訪ねて、カクテルに最適な食材を栽培してもらうという強いこだわりを持ちます。
世界一の技術と、こだわりぬいたフルーツが共鳴するカクテルを、ぜひ一度味わってみてください。

フルーツ、ハーブ、薬草を操る異端児
Ben Fiddich

画像出典:※Instagram @nueta_ ​​さんより

京王プラザホテルにほど近い一角に佇む、ベンフィディック
オーナーバーテンダーの鹿山博康氏は、薬草系のリキュールのスペシャリストで、ハーブスパイスを使用したカクテルの名手として有名ですが、フレッシュフルーツのカクテルにも定評があります。

自身でもハーブ類を栽培し、植物の持つ香り、味わいを引き出す能力に非常に長けています。
そんな鹿山氏の作るカクテルは、ハーブ類とフルーツの特徴が融合した今までにないテイスト
少しでも興味のある方は、ぜひベンフィディックで、未知の体験を味わってみてください。

時代の先を進む老舗
Tendarly

画像出典:※Instagram @feathers_mcgraw ​​さんより

大森に居を構える名店テンダリーのオーナーバーテンダーは、宮崎優子氏
バーテンダー歴は30年を超え、現在ほど女性バーテンダーが一般的でなかった時代を牽引してきました。

数々のカクテルコンペティションで、優勝を含め活躍してきた宮崎氏。
技術に裏打ちされたスタンダードカクテルに加え、フレッシュフルーツを使用したカクテルも、常連客の舌を唸らせます。

現在は、YouTubeチャンネルをはじめ、その他SNSを通して積極的に情報を発信し、常に時代の先端を行くバーテンダーです。

ベトナムとの融合を体験する
Bar Libre

画像出典:※Instagram @h_matsuda8235 ​​さんより

スペイン語の「自由」を店名とする、バー・リブレ

オーナーバーテンダーの清崎雄二郎氏は、その店名通りフルーツカクテルにとどまらず、ハーブスパイスまでを駆使して、自由闊達にカクテルを作り出します。
そして、その「自由」を支えるのは、カクテルコンペティションでの優勝も含めた受賞歴が物語る確固たる技術力

ベトナムへの出店を経て、カクテルにも現地のエッセンスを取り入れ、よりエキゾチックなものへと変貌を遂げています。
ベトナム料理と合わせるカクテルペアリングのコースも用意されており、今までにない世界観が味わえるバーです。

高貴(ノーブル)な空間で味わう
最高峰のカクテル
Bar Noble

画像出典:※Instagram @yasuo_sugimoto ​​さんより

上記カサブランカの山本悌地氏と同様、バー・ノーブルの店主、山田高史氏もバーテンダーの全国大会で日本一に輝いた経歴の持ち主。
その後、日本代表として臨んだカクテル世界大会で優勝、世界一のタイトルを手にした日本のトップバーテンダーの一人です。
タイトルホルダーとなる前から、山田氏の作るフルーツカクテルのファンは数多く、レベルの高さをうかがわせます。

店名が表す通り、店内には背筋の伸びる高貴な空気が漂い、自然と気分を高めてくれます。
葉巻も取り揃えており、甘美なフルーツカクテルと合わせてゆっくりと時間を過ごすのも、上質を知る大人の特権ではないでしょうか。

電話番号 電話番号
参考予算 参考予算
¥5,000~6,000

終わりに

いかがでしたでしょうか。

さまざまなタイプのバーをご紹介してまいりましたが、訪れてみたいお店はございましたか?
フルーツカクテルと言っても、バーの特徴によって味わいやスタイルは千差万別
バーテンダーと語らいながら、いろいろな違いを愉しんでいただきたいものです。

バーをはじめとする飲食店への制約が、徐々に緩和され始めました。
困難な状況が続きますが、そんな中でも、バーで見つける癒しもあるかと思いますので、時期をみてぜひ足を運んでいただければと思います。